仕事中の回復
— 短い休憩の取り方を、研究から
「区切って、短く休む」。それだけで十分ちがう
1時間ごとに区切って、短く休む。厚生労働省のガイドラインも、連続作業は1時間を超えないよう、間に10〜15分の休止をすすめています。短い休憩は、疲労感の軽減や活力の回復と関係すると報告されています。
「休憩を取れば生産性が上がる」とまでは言い切れません。研究では、休憩と成果(パフォーマンス)の関係は統計的にはっきりせず、ばらつきも大きいためです。回復は「よく休むため」と考えるのが正直です。
誰のための研究ノートか
向いている人
- 在宅・デスクワークで、目や肩、頭が疲れる
- 休み方を決められず、つい根を詰めてしまう
- 根拠のある「休憩の目安」を知りたい
向いていない人
- 強い頭痛・目の痛み・視力の変化など、医療的な相談が必要な症状がある方(まず専門家へ)
- 「これをやれば必ず集中力が上がる」という保証を求めている方(当サイトは断定しません)
何が、どこまで言えるのか
B一定の根拠 短い休憩は、疲労感の軽減・活力の回復と関係すると報告されている。
22件の研究をまとめたメタ分析では、マイクロブレイク(数秒〜10分程度の短い休憩)が、活力の回復(効果量 d=.36)と疲労感の軽減(d=.35)に統計的に有意な関連を示しました。いずれも「小さめ」の効果です。
限界:仕事の成果・パフォーマンスへの効果は統計的に有意ではなく(d=.16, p=.116)、研究間のばらつきも大きいと報告されています。つまり「休めば生産性が上がる」とは言えません。効果量も小さめです。
出典:Albulescu P ら.「'Give me a break!' … micro-breaks for increasing well-being and performance」PLOS ONE, 2022. doi:10.1371/journal.pone.0272460
A公的ガイドライン 連続作業は1時間を超えず、間に10〜15分の休止を——が国の目安。
厚生労働省が事業者向けに示すガイドラインでは、パソコンなどの一連続作業時間は1時間を超えないようにし、次の作業までの間に10〜15分の作業休止時間を設け、さらにその間に1〜2回程度、1〜2分の小休止を取ることが推奨されています。この目安は、在宅・テレワークにも準用することが望ましいとされています。
限界:これは事業者向けの行政指導であって、臨床試験ではありません。健康効果を保証する数値ではなく、個人差が大きいためガイドライン自体も1日の作業時間の上限は定めていません。目安として受け取るのが適切です。
出典:厚生労働省「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」令和元年7月12日付け基発0712第3号。 mhlw.go.jp(PDF)
C限定的な根拠 画面から目を離す休憩(20-20-20など)は、目の疲れに役立つ可能性がある。
「20分ごとに20秒、約6メートル先を見る」という20-20-20ルールは広く知られています。これを支持する系統的レビューもありますが、効果を否定する研究もあり、まだ結論は出ていません。数値そのものの根拠も強くはありません。
限界:研究は小規模で結果が一貫せず、目の病気を「治す・防ぐ」ものではありません。あくまで、目を休める習慣の一つとして。
出典:Wilda RD ら.「The Effectiveness of the 20-20-20 Rule in Managing Computer Vision Syndrome among Workers: A Systematic Review」Indonesian Journal of Global Health Research, 2025. doi(※賛否ある領域です)
休み方を、手間と場所で並べる
ここでは商品ではなく、「どの休み方を、いつ、どこで取れるか」を並べます。根拠(ブロック3)で支えられているのは「区切って短く休む」という方向です。
| 休み方 | 目安 | かかる時間 | 場所 | できること |
|---|---|---|---|---|
| 小休止 | 1時間に1〜2回 | 1〜2分 | その場でOK | 目を閉じる/肩を回す/遠くを見る |
| 作業休止 | 連続1時間ごと | 10〜15分 | 席を立てると理想 | 歩く/ストレッチ/別の作業へ |
| 目を離す休憩 | 20分ごと(目安) | 20秒 | その場でOK | 画面から視線を外し遠くを見る |
※ 数値は厚労省ガイドラインの目安や一般的な習慣にもとづくもので、個人差があります。効果を保証するものではありません。
研究とは分けて——やってみた所感
以下は編集部(在宅ワーカー)の主観的な体験で、ブロック3の研究的な根拠とは区別しています。効果を保証するものではありません。
- 「1時間で一度立つ」と決めるだけで、夕方の頭の重さが軽くなった日が多かった。
- 小休止は「時間を決めない」方が続いた。トイレ・水・伸びのついでに。
- 集中を切らしたくない気持ちが、かえって疲れをためていた——と気づいた。
あなたなら、どれから
- 席を立ちにくい → まず小休止(1〜2分)。目を閉じる・肩を回す・遠くを見る。
- 在宅で自由がきく → 1時間ごとに10〜15分、立って歩く・別の作業へ。
- 目の疲れがつらい → 画面から視線を外す習慣を。20-20-20を目安に。
- 時間が全然ない → 「区切りを決める」だけでも。完璧より継続を。
この記事について
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- 編集
- 平田拓也(合同会社AJARA)
- 最終確認日
- 2026年9月9日
- 公開ステータス
- 公開(編集責任者の承認済み・2026年9月9日)
- 評価方法
- 編集方針・根拠評価方法を参照
- 出典
- Albulescu ら, PLOS ONE, 2022(doi)/ 厚生労働省 情報機器作業ガイドライン, 令和元年 基発0712第3号(PDF)/ Wilda ら, Indonesian J Global Health Research, 2025(doi・賛否あり)